10月26日、大阪市中央公会堂で開催された「第26回臓器移植推進国民大会」において、青山が登壇いたしました。
映画監督の河瀬直美監督と「臓器移植を自分ごとにするってどういうこと?」をテーマに、青山自身がこれまでに経験してきたこと、そして来年2月に公開予定の映画『たしかにあった幻』の制作を通じて感じたことについて、ともに語り合いました。
河瀬監督は大阪・関西万博のシグネチャープロデューサーのお一人でもあり、Dialog Theatre の理念を体現しておられます。監督が大切にされている「対話」こそが、「臓器移植を自分ごとにするってどういうこと?」のヒントであると強く感じました。
河瀬監督は、「対話」とは議論や論破ではなく、ひとつの“こと”を真ん中に置き、その“こと”に言葉や想いを重ねていく営みであるとおっしゃいます。
対話――それは生きた証を重ねあう作業。
明日、考えが変わるかもしれない――それは生きた証の更新。
互いの時間や経験、迷いと希望を持ち寄り、少しずつ理解の地平を広げていく営み。こうした営みこそが、臓器移植への理解を深めるうえで何より大切なのだと思います。
最後のセッション「今後への展望」では、「誕生日に家族と『いのち』について話しあってみませんか?」という提案をいたしました。
意思表示者の少なさ、医療施設の体制不備、長年改善されない医療者の労働環境、そして困窮する病院経営のなかで医療と福祉からこぼれ落ちていく家族がいる現実――日本の臓器移植を取り巻く環境には課題が山積しています。
対話をあきらめることなく、大切な人と生きた証を重ねあう日々を大切にすることこそが、臓器移植を広めていく際に重要になるのだと考えています。
トリオ・ジャパンは、これからも多様な視点が出会い、重なり合う場づくりを丁寧に進めてまいります。
最後に、本イベントに関わってくださったすべての皆さまに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。


