2026年7月9日付の読売新聞朝刊において、海外での臓器移植の有償あっせんを巡る事件が報じられ、特定非営利活動法人国際移植者組織トリオ・ジャパン代表の青山がコメントを寄せさせていただきました。
臓器売買につながる行為や、安全性、倫理性、透明性が十分に確認できない海外移植をあっせんする行為は、患者の生命と尊厳を危険にさらすものです。事実関係を明らかにし、同様の事案を繰り返さないための検証と、必要な法制度の整備が求められます。
一方で、トリオ・ジャパンでは、このようなネガティブな報道が大きく取り上げられることによって、国内で移植を待つ患者やその家族が、より一層心細い思いをすることを懸念しています。待機患者さんとそのご家族は先の見えない待機期間のなかで厳しい治療を続けながら、日々を懸命に生きています。その頑張りは、かけがえのない尊いものです。
「生きたい」と願うこと。
「生かしたい」と願うこと。
その思いは、絶対的に正しいものであり、事件への批判と混同されてはなりません。
今回の事件を厳正に検証することと、移植医療そのものの意義や、患者と家族の切実な願いを守ることは、明確に分けて考える必要があります。一連の報道によって、臓器移植全体に誤ったバイアスがかかり、移植医療への不信や、患者、移植経験者、その家族に対する偏見が生じることを、私たちは強く危惧しています。
必要なのは、患者を責めることではありません。誰もが国内で、安全かつ倫理的で、透明性の高い移植医療を受けられる体制を整備することです。
トリオ・ジャパンは、移植を待つ患者、移植を受けた方とその家族、そして臓器提供を決断されたドナーご家族の思いに寄り添いながら、今後も移植医療に関する正確な情報の発信と、社会への理解促進に努めてまいります。

