お知らせ

東京医療保健大学にて臓器移植に関する講演を行いました

2026年7月24日、東京医療保健大学 東が丘キャンパスにて、看護学部3年生の皆さまを対象に、臓器移植に関する講演を行いました。

当日は、心臓移植経験者であり、現在は大阪大学医学部附属病院で臨床工学技士(CE)として勤務されている西尾敬太さんと、トリオ・ジャパン代表の青山竜馬が講師を務めました。 西尾さんは、小学6年生のときに拡張型心筋症を発症し、中学生のときに心臓移植を受けるため渡米されました。

講演では、病気が分かった当時のことや、移植を待ちながら過ごした日々、渡米して心臓移植を受けるまでの経験について、ご自身の言葉で丁寧にお話しいただきました。 特に印象的だったのは、心も身体も大きく揺れ動く多感な時期に、「誰かの臓器を受け取って生きる」ということに対して抱いていた葛藤です。 生きたいという思いがある一方で、移植を受けることへの戸惑いや、言葉では簡単に整理することのできない複雑な感情があったことを、率直に語ってくださいました。

また、さまざまな制限を伴う闘病生活のなかで、大きな支えとなったのは、医療者の皆さまの温かな寄り添いだったといいます。 治療や看護といったそれぞれの専門領域にとどまらず、西尾さんの「これをやってみたい」「少しでも楽しい時間を過ごしたい」というささやかな願いに耳を傾け、何とか実現しようと力を尽くしてくださった医療者の存在が、長い闘病生活を乗り越えるための大きな力になったことをお話しくださいました。 病気を治療するだけではなく、その人がその人らしく過ごすために何ができるのかを考えること。医療の枠を少し越えて患者の思いに寄り添うことが、時に治療と同じほど患者の心を支える。その経験は、将来医療者を目指す学生の皆さまにとっても、深く心に残るお話だったのではないかと思います。

さらに、治療や入院生活を通じて多くの医療者と出会い、医療機器によって命を支えられた経験が、臨床工学技士を目指すきっかけとなったことについてもお話しいただきました。 かつて患者として医療を受けていた西尾さんは、現在、大阪大学医学部附属病院の臨床工学技士として、医療の現場で活躍されています。 患者として病室から見ていた医療と、医療者として現場に立つ今の医療。その両方を知る西尾さんだからこそ伝えられる言葉には、教科書だけでは学ぶことのできない重みがありました。

患者が医療者の何気ない言葉をどのように受け止めるのか。医療者の関わりが、患者や家族の安心や希望にどのようにつながるのか。将来、医療者を目指す学生の皆さまにとって、西尾さんのお話は、これから患者さんと向き合ううえでの大切な原点となる、かけがえのない時間になったことと思います。

このような貴重な機会を設けてくださった東京医療保健大学の先生方、そして最後まで熱心に耳を傾けてくださった学生の皆さまに、心より御礼申し上げます。 トリオ・ジャパンでは、これからも患者さんやご家族、移植経験者の声を次の世代の医療者へ届け、臓器提供や移植医療について考えていただく機会をつくってまいります。

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